折り合いのつけ方講座


もう(グリップが)ないじゃん…。




いつも調教で使ってる手綱、見事に半分より先の部分ばかりが磨耗してボロボロに。
もう半分の部分はまだ新品同様なのに。
よっぽどズブイ馬をびっしり追い切るときでもない限り、手綱のまだ新しい部分を掴むことはまず無いです。
地元の他のライダーと比べても、自分は拳ひとつふたつほど長く手綱を持って乗るみたい。




そんな自分でも、JRAのレースなどを見ていると、ジョッキーがいくらなんでも長手綱過ぎなイカ? と感じます。
手綱が長すぎるというより、ハミを外し過ぎてるように見えるんだが。
長手綱で乗るにしても、たとえば岡部さんのように、もう少しハミを自主的に持たせて走らせるべきなのではと。
とくに勝負所でそろそろ仕掛て行こうかという時の、重心の移動などが難しいし、馬もすぐに反応させられないんとちがうかな。




もっとも、四位騎手などは姿勢ひとつ崩さずにスムーズに追い始めるけど、あんな変態的なバランス感覚の持ち主の騎乗スタイルは、常人には真似できません。
自分のような凡人で、しかも体がやや硬めの人間にはペリエ騎手のような乗り方が参考になるんではないかと。
あの人がレース中に引っ掛かって慌てるようなシーンは、全く記憶にないわ。
ああいうふうに胸を張って背筋に力を入れると、バランスは保ちやすいやね。





「その馬、どうやって抑えてるの?」




などと見習の子に聞かれたもんだから説明しようとしたんやけど、これは無理。
両親が教師だというのに、自分には人に教える才能というのがまるで。
たとえばペリエや横山騎手がやるようにこう… などと例を挙げようとしても、その子はペリエ横典知らないしな。




引っ張るんじゃなくてね、むしろ手首は脱力して柔らかく譲って、拳を軽くニギニギして微調整…
などと表現しても余計混乱するだけ。




こういうのは言葉で説明するもんじゃないです。
上手いなーと思うジョッキーを見つけて、その人の乗り方を真似してコピーしてください。