憧れの人


――おっ、こいつのバランス感覚ハンパねえな。



とある時、たまたま高知競馬を観ていて気になるジョッキーが。
へー高知にはこんな上手い人がいるのか…
と興味を持って以来、ネットで高知など地方競馬のレースを頻繁にチェックするように。
そのうち自分も地方競馬で乗ってみたいと思うようになり、実際に高知競馬への所属が決まったときは、




「あぁ、あの宮川実ジョッキーと一緒に乗れるのか…。」




とドキドキしたもんです。
今では毎朝、素っ気なく「おはようございマース。」 などと挨拶してるけど、心の中では




「(あっ、実サンが来た…。)」




とテンションが上がってるんです。
気持ち悪いけど。
攻め馬用のヘルメットカバーも実リスペクトだし。





その宮川実騎手が片目の視力を失っていると知ったのは、高知へ行くことが決まった後のこと。
落馬事故からどうやって復帰まで漕ぎつけたのか?
自分が数年前にヒザを骨折してようやくプラスターが取れた時は、まったくビクとも動かない足を見て、




「ここからどうやってリハビリしていくのか…。」
「また馬に乗れるようになるのか?」




と絶望したものだけど。
視力を失うなんて、片目だと自転車すらまともに運転できないのに。




そんな実騎手のドキュメンタリーがNHKで放送されるので(再放送・1月18日月曜午後1:05〜)ぜひ観ておいてください。
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/2016-01/11.html#breadcrumb




あまりお勧めできる方法ではないけど、目を閉じて馬に乗る、というのを試したことがあります。
馬乗りが上達できなくて悩んでいた見習いの時分、ふと馬上で目を閉じてみると、視界がシャットアウトされた結果、手綱から伝わってくる感覚から何から全ての感覚が研ぎ澄まされて…、
人馬一体となれるヒント、上達のヒントを掴んだものです。
実騎手のドキュメントで出てくる「人馬一体」というワードから、ふとそんな昔話を思い出しました。




ところで実騎手のドキュメンタリーには、森田牧広も画面の端っこに0.2秒ほど一瞬だけ映ります。
NHKという全国ネットで、憧れのジョッキーと共演を果たすという快挙が…!!
ますます気持ち悪いな、こいつ。