調子の良いジョッキーを襲う罠


http://d.hatena.ne.jp/maki-morita/20090608


昔の日記を読み返すと、ちょうど二年前の6月やったんやね、F騎手がジョッキー志してウチの厩舎にやって来たのは。
はやいもので2年が経ち、彼女もめでたくデビューし勝利を挙げました。
自分が丸3年かかったメトロポリタンでの勝利も、デビュー僅か1か月でやってのけるという偉業。
これまでに何度か同じレースに騎乗したけど、かなり冷静で無茶なコース取りもしないし、なかなか度胸があるわ。
さすがに両親もジョッキーというだけあってセンスが良いんだろうけど、追ってる時の新人とは思えない騎座の安定したフォームは木馬で毎日練習した努力の賜物やね。




こういう有望な若手を突然襲うのが落馬事故というやつ。
先週日曜のレースで落馬、病院に運ばれたというのを聞いて夜に電話すると、怪我は大したことないとのことでひと安心。
でも気持ち的にちょっと動揺してるんではないかという感じがしたので心配。
この子の母親もレース中の落馬が原因で引退してるからなー。
自分は案外図太いので後遺症とか残らないタイプなんやけど。




そういえばもう3年以上、自分はレース中の落馬は経験してないな。
落馬を回避するコツは、まぁ当たり前なんやけど




1. 安全なポジション取り


2. 危ないところに突っ込んで行かない


3. 乱暴な騎乗をするジョッキーには近づかない




新人の騎手に多いのは(1)が分かってない人やね。
オイ! と叫んで威嚇する前に、まず自分で安全なポジションへ移動しなさいといつも言ってるんです。




(2)で勘違いしやすいのは、狭い所に勢いつけて無理やり突っ込めば、前の馬を横に押しのけられるという考え。
これは大間違い。
押しのけるどころか、逆に閉められて自爆するパターンがほとんど。
前の馬のトモなどに触れたら、その馬はバランスを崩して自分の方向へヨレるというのは少し考えたら想像できることでしょ。




(3)はねー、もうだいたい騎乗停止などの制裁を喰らうジョッキーというのは顔ぶれが決まってるんよ。
そういうジョッキーに対してはレース中、出来るだけ間隔を取って近付かないことです。
手綱の操作が不安定な新人のアンちゃんはしょうがないけど、中にはベテランの騎手でも、人の馬を弾き飛ばしたり危険な目に遭わすことを何とも思ってないジョッキーだって少数ながらいるんです。
勝つためには手段を選ばない、そういう輩には何を言っても無駄なので、近寄らないのが一番。





先日2年ぶりのダブル(1日2勝)を挙げました。
すると新聞にもデーンと。
新聞に写真載るのはたぶん3年ぶりやな。
しかもカラー写真となると4、5年ぶり
最近どうしたんかな。
こういう調子の良い時にこそ、落馬事故などという落とし穴が待ってるのはよくあるパターン。
浮かれずに、いっそう気を引き締めて行きたいと思います。