「馬群を捌く」
というのは永遠のテーマかもしれん。
実はジョッキーに最も求められる能力なのでは、という気がしています。







先日のラジオNIKKEI賞アンビシャスのルメール騎手、
4角手前で8枠のキャンベルジュニアの手応えが悪いと見るや、その後方インにピタッとつけて、ちょうど4角を回る絶好のタイミングで外へ出しました。
折り合いに不安がある馬とはいえ、本命馬をそんな後方のインで(しかも福島)大丈夫か?という位置取りだったのにお見事でした。




手応えの良い馬はどれか?
バテて下がってきそうな馬はどれか?
という馬群の動きを冷静に予測して動いていく。
たとえば私M.Moritaなんかは、このあたりが致命的に下手くそでダメ。




トップジョッキーでも某XX騎手などは、あまり上手くないように見えます。
少々狭いところでも強引に割ってくるので何とかなってるけど、馬群を捌ききれずに4角までモタモタしているシーンが目立ちます。




昔のジョッキーではXXさん。
捌ききれなくて詰まってしまって、仕方ないから最内をギャンブルで突いてみたらたまたま上手く行った、というのが多かった。
あの芦毛の名馬とのコンビでも、危なっかしいレースが何度かありました。




同じインを突くにしても、「たまたま上手く行った」のと、「自分で流れを予測して動いていく」のでは違う。




馬にブレーキをかけることなく、4角でスムーズに内から外へ出すのに一番長けているのは、武豊騎手でまちがいないでしょう。
最初に思い描いたラインを修正することなく、実にスムーズにコーナーを回ります。
しかも道中リラックスして脚を溜めているから、勝負所でわっせわっせと手綱を動かさなくても、ちょっとハミをかけるだけでスーっと上がって行ける。
もう当たり前のようにやってるので見てるファンとしてももはや特別なんとも思わんけど、やっぱりアレは芸術的。




たまに失敗するけど、ミルコ・デムーロ騎手も天才的に上手い。
馬群の流れを完ぺきに読んで、さっきまでインに包まれてたのにいつの間にか外に出している。
今年の皐月賞や、ロサギガンティアで勝ったスプリングSなどは、上手すぎてため息が出る。
1コーナーの時点では「そこからどう捌くの?」というような絶望的なポジションだったのに。




絶対にどこかが開いてクリアーになる、という自信があるからインで我慢できるんです。
我慢できない人は大外をブン回すんです。はい私です。




競馬は3コーナー過ぎから直線入り口にかけて、各ジョッキーがどのようなラインで進路を取るかを見るのがいちばん面白く見応えのある部分だと個人的には思う。