セカンドジョッキーの憂鬱


病気やケガで、調整の十分にできてない馬にレースで乗る、




ジョッキーにとってはこれが一番イヤ。
当然ながら、そういう馬は力を発揮できない。
で、馬券を買うファンや周りの人はそういう事情を知らないので、レースで負けると「なんだアイツ、下手くそに乗ってんじゃねーよ!」と騎手のせいにされる。




レースに使ったところで勝てない、さらに状態も悪化しかねないというのに、なぜ使うのか。
なぜあと1週、2週待てないのか。
競馬は今週だけでなく来週もその次もやってるのに。




まぁこのあたりは馬主と調教師のいろいろ複雑な事情があるので、これ以上は言いませんが。
とりあえずジョッキーとしてやるべきことは、




馬がどこか痛がってるなら「痛い」と、
咳をしたり元気が無いようならそれもハッキリ伝える。
嫌われるだろうけど、自分はちゃんと言うようにしてる。




「レース使っても大丈夫だろうけど勝ち負けの期待できませんよ」程度なのか、
「これは無理! まともに走れない状態だからスクラッチして下さい」という程なのかもハッキリと。
うやむやにしていると、彼らは100%レース使ってくるので。




そうは言っても、よほどの場合でない限りスクラッチ(出走取消)にしてとは言いづらい。
そうしてレースに使われてしまった場合の、ジョッキーの味方となってくれるのが獣医さんです。
どの開催でも必ず一人、スタート前の輪乗りの様子を厳しくチェックしておられます。
馬の様子が少しでもおかしいと感じたら、迷わず獣医さんに聞きます。
異常が認められればスクラッチにしてもらえるし、大丈夫との判断ならこっちも安心してレースに全力で集中できる。




「この馬、歩様おかしいけど大丈夫だから。いつものことだから。輪乗りの時はなるべく獣医の前を歩かさないでくれ。」
などとバカなことを言う調教師も実際にいるわけですが、そういうのは無視で。
そこまでして調教師との関係を保とうとは思わん。




で、明日や。
どの馬とは言えないけど、病み上がりと脚のケガで全然調整のできてない騎乗馬が2頭ほどいるんやなぁ…。
気が進まんわー。
とりあえず無理追いだけはしないように気をつけるか…。