ゴッドハンド看護婦

手術は金曜日の午後に行われました。
足の手術だけど全身麻酔をかけるとのこと。
看護婦さんにカポッと麻酔のマスクをつけてもらうともののわずか3秒、ぐわーっと体全身が痺れるような感覚とともに意識がぼや〜っとしてきた。


「あ〜効いてきたわ〜」


などと独り言をつぶやいたら、何を思ったか看護婦さん、麻酔マスクをぱっと外しちゃったやないの。
あれっ何で?せっかく麻酔効いてたのに…
すると看護婦さんひと言


「じゃあ部屋に戻りましょうか。」


やて。
おい待ってくれや、手術どないなってんねん。
自分なんか悪いことしたかな?
おそるおそる


「あのう…しゅ、シュジュツは?」


と聞いてみると「えっ?」てな顔されて話がどうも通じない。
するとすぐに食事が運ばれてきた。
手術前やというのにどうして?
うーむ…この状況から推測するに、まさかとは思うけど…思い切って聞いてみました。


「あのう…しゅ、シウツって、もしかしてもう終わったのデスカ?」


「え?さっきやったじゃない。
…あぁそっか、全身麻酔だったから不安なのね。
大丈夫ですよ、ちゃんとボルトで固定したし縫合も…」


ちゃうねん、そうやなくてな…
だいたい寝た記憶がないねん!なんもせんと出てきたやろ!?
と言うと、看護婦さんアっはははと高笑いして、腕時計見ながら


「入ったのが5時だから…
だいたい35分ね。35分間、確かに麻酔で寝てたわよ。」


ほんまに?
信じられんな…。
納得いかんけど、そこまで言うんやったら信じなしゃーないな。
それより目の前にある食事が気になんねん。
前日からなんにも食べてないから、腹へって腹へって。

手術したとかどうとか、もうどうでもええわ。