ピチカートファイヴが「女性上位時代」というアルバムを出したのはもう20年前か。
オーストラリアでは約10年ほど前から女性騎手の数が飛躍的に増えだして、たとえば先日の開催などは男ジョッキーはM.モリタと香港のY騎手二人だけでした。
まぁそんなわけで、




「おう、兄ちゃんたち出て行きや。今日は女の子のが多いんやから、ウチらが大きいほう使わせてもらうで。」




などと脅されてお姉さま方が男子ジョッキールームを制圧、モリタ君とY君は泣く泣く追い出される結果に。
こういう男女の控え室逆転現象は、もう最近じゃ当たり前になりつつあります。
競馬場にもよるけど、ほんとに女性ジョッキールームって狭いからね、仕方ないね。





それにしても、かつては香港の華々しい舞台で活躍されたY騎手が、こんなド田舎競馬場の狭い控え室に追いやられているのを見ると何だか申し訳なくなってくる。
なにか話しかけないと…と思ってると、彼のほうからいろいろと話題を振ってくれました。




「マキはなにか副業とかやってんの?」
「オレは今の収入だけじゃとてもやって行けない。」
「ユーロ危機の影響で、香港に帰っても良いことがない。」
「できるだけオーストラリアで稼ぎたいが、騎乗鞍は確保できないしビザの問題もあるし…。」
「日本のユタカ・タカ、彼はとても頭がスマートで良いジョッキーだよな。」
「あれくらいの騎乗技術が自分にもあれば、こうして生活に悩むことも無いのに…。」
「でも今は別の人がチャンピオンだったよな、あのファニーなアクションで追う人。」




最後のはおそらく岩田騎手のことだと思うけど、それにしてもみんな悩みはやっぱり抱えてるんやね。
傍から見てる限りでは、少なくともM.Moritaなどと比べたらよっぽど順風満帆なジョッキー生活を送ってるように見えるんやけど。
この自分だって周りから見たら、小さい頃からのジョッキーの夢を叶えて、幸せ一杯の人生を送ってることになるのかな。




そんな悩みを打ち明けたY騎手でしたが、ちゃっかりこの日のメインレースを快勝。
ゴールで見せた、香港仕込みの派手なパフォーマンスとウイニングランには痺れた。
小さな田舎競馬ながらたくさん来場してくださったお客さんも、これには大喜び。




自分は普段は、ジョッキーのガッツポーズなどには否定的なんやけど、こうして観客を楽しませることも大切かなと少し考え直しました。







関係ないけど、石井琢朗選手が今期限りで引退されるそうです。
まったく打つ気の無さそうな棒立ちの構えからヒットを量産する姿がカッコよくて、自分がドラゴンズからベイスターズファンに鞍替えするキッカケとなった選手でした。
晩年はすっかりカープの人になってしまったのが残念やけど、いつか横浜に帰ってきて下さい。