森の厩舎だより vol.3


スーパサスピシャス 牡4




明日は見とってよ、勝つから。
この馬、デビューから2戦して12着、14着、今回は9か月の休み明け、さらにトップジョッキーから見習のmaki-moritaへ乗り代わりと、まるで勝つ要素はナシ。
それなのに今日の新聞で、この馬を対抗に推している人がいました。
鋭いね、その人は。




「とりあえずデビュー2戦は、激しく折り合いを欠いて競馬にならなかった。折り合いさえつけば....。」




とはウチの調教師。
ふっふっふ、そういう馬を待ってたのだよ。
実はmaki-morita、最近は折り合いをつけるという技術に自信を持ち始めてるのです。

折り合いをつけるコツというのはまず第一に、人がリラックスすることやね。
あっ、持ってかれる!と思った時にまず慌てない。
ひと呼吸おいて、ふぅーっと息を吐きだすように、やんわりと丸めこむ感じ?
ブリッジを組んでるとどうしてもハミ当たりが強くなるので、それも解いた方がええと思うけどな。
完全にOFFにしてしまうんやなしに、ある程度は一定のプレッシャーを保って、馬に引っ張らせた方が仕掛けたい時にスムーズに対応もできる。
深いコブ斜面を滑ってくようなイメージでいくと、バランスとリズムを取りやすいかな。なんのこっちゃ。




とにかく、それを実践したのが先日のトライアル。
最後方でリラックスさせると直線だけで全馬まとめて差し切るというパフォーマンス。
折り合いさえつけばこんな末脚が使えるんやな。
明日も後方からの競馬になるでしょうが、アッと言わせてみせてやんよ。