ターフの魔術見習い
今日を最後にしばらくムチを置くことになるmaki-morita。
だから良い成績をあげて有終の美をかざりたいところです。
とは言ったものの最初の騎乗馬3頭はそれぞれ、
26戦未勝利馬、
8戦未勝利:入着ゼロ、
近3走:ブービー最下位最下位、
そんな馬ばっかし。
どないせー言うねん。
…しかしその3頭、結果はなんと、
2着
2着
2着
こっ…これぞmaki-moritaマジック!!
人気薄を上位に持ってくるも2着止まり!!
穴男にして詰めの甘い善戦マンという、maki-moritaの個性100%全開。
よりによってこんな最後の日にまで。
次こそはモノにしたる…!と燃えた第4レース。
事件は起こりました。
俗に言うカンパイというやつ。
ニーブ騎手の馬がゲート内で暴れ、態勢が全く整ってなかったのに、ゲートがいきなりオープン。
えっ、まだやろ?!
何で今開けんねん?!
と思う間もなく、各馬は一斉にスタート。
後ろを振り返るとニーブ騎手の馬は態勢を崩したままゲートにつかえてるのが見える。
こっ、これはやはりもしかして…!
コース脇に目をやると、係員が慌てて旗を振ってるのがハッキリと見えた。
「フォルススタートやぁ!! みんな馬止めろぉ〜!!」
と叫ぶと、外にいたクリッチ騎手はそれに気付いて馬を停止。
しかしその他の馬はみーんなそのまま行ってしまいました。
…これって、どうなるん?
協議の結果、レースはとりあえず無効。
最終レース後にもう一度やり直しということに決定。
1着だった馬はガッカリです。
さらにここで新たな問題が。
最終レース後にやるって?
帰りの飛行機間に合うんか?
騎手も役員も馬主さんも、さらにファンの一部もこの日は飛行機ではるばるやって来ていたのでした。
それが全員飛行機逃す、なんてことになったらマズイでしょ。
しかも検査の結果、ゴールまで全力疾走してしまった馬たちは、みんな疲労著しく除外が決定。
レースできるのはゲート出なかった1頭と途中で止めた2頭の計3頭だけです。
それで再協議をした結果、レースは結局お流れとなりました。
少しがっかり。
3頭立てレースなら最下位でも賞金入るぞ、などとクリッチ騎手と話してたのに。
気をとりなおして第5レース、本日のメインや。
大1番Rダウンズカップ。
このレースのために今日は大勢のファンが、こんな州境の町まで詰めかけてくれています。
パドックに現れた馬達。
さぁ、そろそろ騎乗命令かかるかな、というところで
「ちょっと待った〜!」
…な、なんや今度は。
また事件!?
ふと2000mのスタート地点に目をやると、スターティングゲートが移動の最中にコース脇の深みにハマり、動けなくなっているではないか。
あ、あのね…。
おっさん何してんねん!
呆れてもう何も言えんわ…。
車4台がかりで引っ張ってもビクともしないゲート。
これはもう、グランドナショナル式の原始的なスタートでやるしかないか?などという声もあがる。
それは勘弁してくれ。
とうとう近所の農家からでっかいトラクターを借りてきて、ようやく深みから抜け出したゲート。
30分もかかった。
おいおい、時間だいじょうぶかいな。
飛行機間に合うんか?
この後にまだ最終レースがあんねんで?
かなり気合い抜けたけど、仕切り直しでメインレースは施行。
maki-morita騎乗馬はあと一歩の4着。
そして迎えた最終レース。
騎乗前にジョッキー全員が役員に集められ、
「いいですか、レースが終わり次第すぐに準備して空港に向かいます。
シャワーを浴びる時間はないかもしれません。」
やて。
なんやねんそれ。
そんなん聞いたことない。
まぁ無事に最終レースは行われ、ジョッキーは全員シャワーを浴びれたんやけど、空港のチェックインには45分も遅刻しました。
それでも問題なく飛行機に乗せてもらえるのがオーストラリア。
まぁこの日の乗客の8割9割は競馬客やったからな。
というわけで、事件だらけでお腹いっぱいの一日でありました。
明日からしばらくはレースというプレッシャーから解放され、のんびりとした生活がはじまるのか。
しかし同時に寂しさと空しさもこみあげてくる。
頑張ってはよ復帰するわ。